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「走り始めてしばらくすると、かかとに鋭い痛みが走る」「運動後に足の裏がズキズキして、翌朝の一歩目がつらい」そんな経験はありませんか?
健康のためにと始めたランニングが、足の痛みのせいで楽しめなくなってしまうのは本当につらいことです。
じつは、走ったあとや運動中にかかとが痛くなるお悩みは、当院にも多く寄せられる症状のひとつです。その多くに共通しているのが、足底筋膜炎という状態が関わっているということです。
この記事では、ランニングによってかかとや足裏に痛みが出るメカニズムから、セルフケアの方法、そして「どんなときに専門家に相談すべきか」まで、柔道整復師として30年以上の臨床経験をもとにお伝えしていきます。ぜひ最後まで読んでみてください。


私自身、学生時代に脚の故障を経験し、原因がわからないまま治療を続けた辛さを知っています。「なぜ痛いのか」がわかるだけで、ずいぶん気持ちが楽になるものです。まずはこの記事で、あなたの足に何が起きているのか一緒に確認していきましょう
ランニングやジョギングは全身運動ですが、着地のたびに体重の数倍もの衝撃が足の裏にかかることをご存知でしょうか。その衝撃を毎回受け止めているのが、かかとから足指の付け根にかけて張っている「足底筋膜(足底腱膜)」という厚い膜状の組織です。この組織が繰り返しの負担によってダメージを受け、炎症や微細な断裂を起こした状態が、いわゆる足底筋膜炎です。
ランニング中やランニング後にかかとが痛くなる原因として、足底筋膜炎はもっとも頻度が高いものです。「まだそこまでひどくない」と感じていても、放置すると慢性化しやすく、最終的には歩くだけでも痛みが出るほど悪化するケースも珍しくありません。
足底筋膜炎の特徴的なサインとして、次のようなものがあります。自分の状態と照らし合わせてみてください。
これらのうちひとつでも当てはまるなら、足底筋膜への負担が積み重なっているサインかもしれません。「筋肉痛だろう」と判断して様子を見ていると、症状が長引くことが多いのでご注意ください。
ランニングが足底筋膜炎を引き起こしやすい理由は、単純に「衝撃の繰り返し」だけではありません。走行時には足底筋膜がバネのように伸縮して地面の衝撃を吸収するため、距離が増えれば増えるほど、その消耗も蓄積されていきます。特に練習量が急激に増えたタイミングや、硬いアスファルトでのランニングが続いた時期に発症しやすいのはそのためです。
また、ランナーに特有の問題として、ふくらはぎや足首まわりの筋肉の硬さが挙げられます。ふくらはぎが硬くなるとアキレス腱を通じて足底筋膜への引っ張り力が増し、かかとの付け根部分に余計なストレスがかかり続けます。「ストレッチはしている」という方でも、足底筋膜そのものと、それにつながるふくらはぎ・足首の柔軟性が不十分なケースをよく見かけます。
かかと着地(ヒールストライク)のフォームでランニングをしている場合、着地のたびにかかとへの衝撃が集中しやすく、足底筋膜炎のリスクが高まります。もちろんかかと着地が悪いとは一概には言えませんが、着地の衝撃を分散させるフォームや筋力バランスが伴っていない場合は要注意です。
靴のクッション性や適合性も見直すべきポイントです。ソールが薄くなったシューズを長く使い続けていたり、自分の足のアーチに合っていない靴でのランニングは、足底への負担を大きく増やします。また、偏平足やハイアーチ(土踏まずが高すぎる足)の方は、そもそも足底に余分なストレスがかかりやすい構造になっています。
痛みが出ているにもかかわらず、気合いで走り続けてしまうランナーは少なくありません。「大会が近いから休めない」「少し痛いけれどいける」という判断が、症状を慢性化させる最大の原因になることがあります。
症状が出ているときに避けていただきたい行動を整理すると、次のようになります。
特に湿布や痛み止めは一時的に痛みを感じにくくするだけで、足底筋膜へのダメージを修復しているわけではありません。痛みが消えたように感じて走ったことで、さらに組織にダメージが蓄積するという悪循環に陥るケースを、これまでの臨床で何度も見てきました。
足底筋膜炎の症状が軽度であれば、日常生活の中でのセルフケアが回復を大きく後押しします。ただし、あくまでも「補助的な手段」として捉えてください。原因が特定できていない状態でのセルフケアは、根本的な解決にはなりません。
ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)の硬さは、足底筋膜への負担に直結しています。壁に手をつき、後ろ足のかかとをしっかり床につけて膝を伸ばした状態で20〜30秒キープするストレッチを、朝起きた直後と運動前後に行うと効果的です。
テニスボールやゴルフボールを足裏で踏み、土踏まずからかかとにかけてゆっくり転がすセルフマッサージは、足底の血流改善と筋膜の柔軟性を高める効果が期待できます。ただし、炎症が強い急性期には痛みが増すこともあるため、強い痛みを感じる場合は無理に行わないようにしてください。
運動直後や夜間に熱感・腫れを伴う痛みがある場合は、患部を10〜15分ほど冷やすことで炎症を抑える効果があります。氷嚢やアイスパックをタオルで包んで当てるようにし、直接肌に当てる凍傷には注意してください。
使い古したシューズのソールは、新品と比べてクッション性が大きく落ちています。一般的なランニングシューズの寿命は500〜800kmが目安と言われており、月間50km走る方であれば約1年で交換が必要な計算になります。また、アーチサポートのあるインソールを使用することで、足底への負担を軽減できる場合があります。
足底筋膜炎は、安静にしているとある程度痛みが引くことが多いため、「治った」と思って運動を再開してしまいがちです。しかし、根本的な原因が残ったままでは、再び同じ動作を繰り返すことで必ず再発します。これが、足底筋膜炎が「慢性化しやすい」と言われる最大の理由です。
2〜3週間のセルフケアで改善が見られない場合や、朝の一歩目の痛みが毎日続いている場合は、自分の判断だけで様子を見るのではなく、専門家に相談するタイミングだと考えてください。適切な検査なしに施術を続けても、何度も同じ症状を繰り返すだけです。
ここが、多くの方が見落としている重要なポイントです。足底筋膜炎は「使いすぎ」だけが原因ではなく、複数の要因が重なって発症することがほとんどです。
開院以来30年以上の臨床で見えてきた、足底筋膜炎に関係する主な要因を挙げると次のようなものがあります。
これらの要因は人によって異なり、組み合わせも一人ひとり違います。だからこそ「ストレッチしても治らない」「インソールを替えても変わらない」という状況が生まれるのです。原因を特定せずにアプローチしても、改善の道は見えてきません。
「整形外科に行ったが、湿布をもらって終わりだった」という声を、来院される患者さんからよく聞きます。病院での治療は決して間違いではありませんが、対症療法が中心になることが多いのも事実です。
| 治療の種類 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 薬物療法(病院) | 痛み止め・湿布・ステロイド注射 | 一時的な痛みの緩和。根本解決にはならない |
| 電気治療・理学療法(病院) | 電気刺激・局所的な運動療法 | 局所への対処療法。全身バランスの改善は難しい |
| 当院の整体 | 徹底した検査+全身バランスの調整+運動療法 | 原因を特定し、根本改善を目指す |
当院では、足底だけを見るのではなく、重心バランス・骨格の歪み・筋力の左右差・歩行動作まで含めた検査を行います。足底重心測定器(ピドスコープ)をはじめとした5種類の検査で、あなたの足底筋膜炎の「本当の原因」を可視化することができます。
「もうランニングはできないのかな」と感じている方に、はっきりお伝えしたいことがあります。足底筋膜炎は、適切な対処さえすれば多くの場合で改善できます。実際に当院でも、「また走れるようになりました」と喜びの言葉をいただく患者さんが少なくありません。
大切なのは、何が原因かをきちんと把握することです。原因がわかれば、取るべき対策が明確になります。痛みをかばいながら走り続けることで、膝や腰にも影響が波及するリスクがあります。早めに原因を突き止め、適切にケアしていくことが、長くランニングを楽しむための近道です。
症状の程度によって異なります。強い痛みや炎症がある急性期は、患部を休ませることが先決です。症状が落ち着いてきたら、距離や強度を抑えながら段階的に再開していく流れが一般的です。無理に走り続けると慢性化のリスクが高まるため、専門家のアドバイスを受けながら進めることをおすすめします。
足底のアーチをサポートするテーピングは、運動中の痛みを一時的に和らげる効果が期待できます。ただしテーピング自体は根本的な治療ではなく、あくまで補助的な手段です。テーピングをしても痛みが繰り返す場合は、原因そのものへのアプローチが必要です。
軽症であれば数週間から1〜2ヶ月で改善するケースもありますが、慢性化した場合は半年以上かかることもあります。早期に適切なケアを始めるほど、改善までの期間は短くなります。「痛くなってから何ヶ月も経っている」という方ほど、早めに動いていただくことをおすすめします。
成長期のお子さんの場合、かかとの痛みは「シーバー病(踵骨骨端炎)」という成長軟骨の問題であることが多く、足底筋膜炎とは異なります。原因が違えば対処法も異なりますので、お子さんのかかとの痛みはできるだけ早めに専門家に相談されることをおすすめします。
ランニングが好きで、健康のために走り続けたいのに、かかとの痛みが邪魔をしている。そのもどかしさは、スポーツで故障を経験した私にはよくわかります。
「大したことないだろう」「休めば治るだろう」という判断が、慢性化を招くことがあります。一方で「もう手遅れかもしれない」と諦める必要もありません。正確な原因を特定し、それに合ったアプローチを続ければ、多くのケースで走れる状態に戻ることができます。
かかとや足裏の痛みで悩んでいるなら、ぜひ一度ご相談ください。検査を通じて原因をしっかりお伝えし、あなたが再びランニングを楽しめる日を一緒に目指していきましょう。一人で悩まず、気軽に声をかけていただければと思います。
整体院シェルパ・広島院院長 吉原和彦

