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スーパーの帰り道、ふと気づくと親指の付け根がズキズキしている。そんな経験はありませんか?「たかが買い物の荷物くらいで…」と思いながらも、毎回のように痛みが出てくると、さすがに不安になりますよね。
実は、荷物を持ったときに起こる親指の付け根の痛みは、ある特定の疾患のサインであることがほとんどです。しかも、放っておくほど改善が難しくなるやっかいな症状でもあります。
この記事では、整体院シェルパ・広島院院長の吉原が、荷物を持つと親指が痛くなるメカニズムから、今すぐ自分でできるケア、そして本当の意味での改善に必要なことまで、できる限り丁寧にお伝えしていきます。


「帰宅してから親指が痛い」と感じているなら、それはすでに身体からのSOSかもしれません。なんとなく湿布を貼って様子を見るだけでは、根本の問題は何も解決されていないことが多いので、ぜひ最後まで読んでみてください
「なぜ荷物を持っただけで親指が痛くなるのか」——この疑問、実はとても大切なポイントを突いています。単純に「使いすぎ」だけでは説明がつかないこともあるからです。まずは、その痛みがどこで起きているのかを理解するところから始めましょう。
親指の付け根と手首の間には、「CM関節(手根中手関節)」と呼ばれる小さな関節があります。この関節は、物をつまむ、握る、ひねるといった動作を可能にしている、親指の動きの要とも言える部分です。
買い物袋のひもを指に引っかけて持ったり、重いエコバッグを握りしめて歩いたりすると、このCM関節に非常に大きな負荷が集中します。特に指先だけで持つような持ち方では、その負担は想像以上のものになります。
CM関節への負担と並んで見逃せないのが、腱を包む「腱鞘」へのダメージです。腱鞘とは、筋肉から伸びた腱をスムーズに動かすためのトンネルのような組織のことで、手や指をよく使う人ではここに炎症が起きやすくなっています。
買い物袋を持つという動作は、親指に継続的な把持の力を要求します。この繰り返しが蓄積されると、腱鞘炎として症状が出てくることがあります。「荷物を持つときだけ痛い」という方に多いパターンのひとつです。
荷物を持ったときに親指の付け根に痛みが出る場合、大きく分けて2つの疾患が関係していることがほとんどです。どちらも似た症状に見えますが、原因や対処のアプローチが異なります。それぞれの特徴をしっかり確認しておきましょう。
母指CM関節症は、親指の付け根にあるCM関節の軟骨がすり減り、骨同士がぶつかることで痛みや腫れ、変形が起こる状態です。特に40代以降の女性に多く、日本では数百万人規模の方が悩んでいると推定されています。
この疾患の大きな特徴は、「つまむ」「ひねる」「握る」動作で痛みが増すことです。瓶のフタを開けようとしたとき、洗濯ばさみをつまんだとき、そして重い荷物を持って歩いたとき——こうした場面で痛みがズキッと走るなら、母指CM関節症の可能性を疑ってみる必要があります。
進行すると関節が変形し、痛みのない状態に戻すことがどんどん難しくなっていきます。「まだ我慢できる」と感じている段階こそ、対処を始める最もよいタイミングだということを、ぜひ覚えておいてください。
一方、腱鞘炎の場合は腱とその周囲の腱鞘(トンネル状の組織)に炎症が起きている状態です。痛みが出る場所や動作が似ていることもありますが、指を曲げ伸ばしするときの「引っかかり感」やカクカクした動き(これが「ばね指」の特徴です)がある場合は、腱鞘炎が疑われます。
また、手首の親指側をつまんで手首を小指方向に曲げると痛みが増す「フィンケルシュタインテスト」という簡単なセルフチェックで、ドケルバン病(親指側の腱鞘炎)を疑う手がかりになります。ただし、自己判断は難しいことも多いので、あくまで目安として活用してください。
30年の臨床経験から言えることがあります。「母指CM関節症だけ」「腱鞘炎だけ」と明確に分かれているケースよりも、両方の要因が重なっている方のほうがずっと多いという現実です。だからこそ、原因を正確に把握せずに「湿布を貼れば治る」という対処だけを続けていると、いつまでたっても根本が変わらないのです。
この症状は誰にでも起こりえますが、特になりやすい条件があります。以下に当てはまる項目が多い方は、注意が必要です。
特に更年期前後の女性は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下することで関節や腱の組織が弱くなりやすいことが知られています。手をよく使うライフスタイルと、ホルモンバランスの変化が重なりやすい時期だからこそ、この年代に多くの方が発症するのです。
痛みを感じたとき、まず自分でできることを試してみたい方は多いと思います。ここでは正しいセルフケアの方向性と、逆効果になってしまうNG行動をセットでお伝えします。ただし、セルフケアはあくまで補助的なもの。症状が続く場合は早めに専門家に相談するのが一番の近道です。
まず取り組んでいただきたいのが、荷物の持ち方の見直しです。買い物袋のひもを親指一本に引っかけて持つ持ち方は、CM関節にピンポイントで強い負担をかけます。できるだけ手のひら全体で支えるように意識し、荷物の重さを分散させましょう。
エコバッグを使う方は、持ち手が細いタイプよりも幅広のものに替えるだけでも、指への負担が大きく変わります。また、片手に集中せず、できるだけ両手に均等に分けて持つことも大切です。
痛みが急に出た、または腫れている場合は、冷たいタオルや保冷剤(直接ではなく布に包んで)で10〜15分ほど冷やすことが基本です。一方、痛みが長く続いている慢性的な状態では、温めて血流を促すほうが回復を助けることが多いです。
セルフケアで大切なのは「やること」だけでなく「やらないこと」を守ることでもあります。次の3つは特に注意してください。
「大げさかな」「そのうち治るかな」と思いながら、ずるずる過ごしている方も多いのではないでしょうか。でも正直に言わせてください。これらの症状は、放置しても自然に改善するケースは多くありません。
母指CM関節症は進行すると関節が変形し、痛みのない状態に戻すことが難しくなっていきます。また腱鞘炎も、慢性化すると指が完全に曲がったまま戻りにくくなる「ばね指」の状態になることもあります。最終的には手術が必要になるケースもあり、そうなってから後悔しても遅いのです。
「まだそこまでひどくない」という今の段階で動いていただくことが、最も結果につながりやすいというのが30年の臨床経験を通じた実感です。
「整形外科に行ったら湿布と安静を言われただけだった」「痛み止めを飲んでいるけど根本が変わらない」という声は、当院にも非常に多く届きます。病院での一般的な対処法は、以下のようなものが中心です。
| 治療法 | 内容 | 限界点 |
|---|---|---|
| 装具療法 | サポーターや固定装具で患部を固定する | 長期装着が煩わしく、根本改善には至らないことが多い |
| 薬物療法 | 痛み止め・湿布・ステロイド注射など | 一時的な緩和にとどまり、副作用や効果の減弱が懸念される |
| 手術療法 | 関節固定術・関節形成術など | 術後リハビリが必要で、完全回復しない場合もある |
これらの治療法が「悪い」ということではありません。ただ、どれも「症状をどう抑えるか」に主眼を置いており、「なぜその症状が起きているのか」という原因の追究が後回しになりやすいのです。
当院を開院して以来、母指CM関節症や腱鞘炎でご来院される方は非常に多くいらっしゃいます。その経験を通じてひとつ確信していることがあります。それは、「原因はひとりひとりで違う」ということです。
加齢による軟骨の摩耗、手の使いすぎ、ホルモンバランスの変化、過去の怪我、遺伝的な要因——これらが単独で起きていることは少なく、複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。だからこそ、検査なしに施術を進めることは、コンパスを持たずに山に踏み込むようなものだと思っています。
当院では、問診・姿勢分析・歩行動画・足底重心測定(ピドスコープ)・整形外科的検査・筋力検査といった5種類以上の検査を組み合わせて、症状の根本にある原因を特定します。その結果をもとに施術計画を立て、患者さんご自身にもしっかりと説明したうえで治療を進めていきます。
国家資格を持つ院長が、問診から施術まで一貫して担当するのが当院のスタイルです。来院のたびに担当者が変わったり、説明が不十分なまま施術が進んでいくといった不安は、当院では一切ありません。
荷物を持つたびに親指が痛む。好きな料理を作るのがつらい。孫を思い切り抱っこできない。そんな「当たり前の日常」が制限されてしまうのは、本当につらいことだと思います。私自身、学生時代に怪我をしたことで大好きだった陸上を続けられなくなった経験があります。だからこそ、痛みを抱えて悩んでいる方の気持ちには、人一倍共感できると思っています。
ひとりで「どこに行けばいいか」「治るのかな」と悩み続けるのではなく、ぜひ気軽に相談してください。一緒に原因を探して、あなたのやりたいことができる身体を取り戻しましょう。いつでも当院のドアは開いています。

