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こんにちは。整体院シェルパ広島院の院長、吉原和彦です。今日は多くの患者さんからご質問をいただく、脊柱管狭窄症とツボについてお話しします。
「医師の治療を受けているけれど、もっと自分でできることがあるのではないか」「ツボを押すと楽になるという話を聞いたけれど、本当に効果があるのか」。診療所で聞こえてくるのは、そうした率直なご質問です。30年以上の臨床経験の中で、東洋医学の知見と運動学的アプローチを組み合わせることで、多くの患者さんがセルフケアを通じて症状の改善を実感されています。


脊柱管狭窄症で苦しんでいる方の多くが、医療機関での治療と並行して、自宅でできることを探しています。その選択肢の一つがツボ押しですが、実は正確な位置と押し方を知らないと期待する効果が得られないんですね。ここからは、そうした誤解を解きながら、本当に効果的なツボについて詳しく解説していきます
脊柱管狭窄症という症状が出ている時、患者さんの身体の中では複数の問題が同時に起こっていることがほとんどです。30年の臨床経験から言えるのは、症状の原因はひとつではなく、複数の要因が複雑に絡み合っているという点なのです。
背骨の中には神経が通るトンネルがあり、これが何らかの理由で狭くなることで、腰や足に痛みやしびれが生じます。この狭窄の原因となるのが、骨の変形、椎間板の膨隆、靭帯の厚みなどですが、その背景にあるのは全身の筋肉バランスの崩れなのです。
だからこそ足の特定のツボを押すことで、全身の筋肉バランスが改善され、結果として脊柱管狭窄症の症状が緩和されるという現象が起こるわけです。ツボは単なる痛い部位の周辺にあるだけではなく、全身の経絡システムとつながっており、離れた部位への作用が期待できるのです。
西洋医学ではこのメカニズムを神経反射やゲートコントロール説などで説明しています。つまり、ツボへの刺激が脳に伝わることで、痛覚のシグナルが門限を制御されるわけです。これは決して民間療法の領域だけの話ではなく、医学的根拠のあるアプローチなのです。
ここからは、脊柱管狭窄症の患者さんが自宅で実践できる、本当に効果的なツボについてお話しします。私の臨床経験の中で、特に多くの患者さんが効果を感じたツボを5つ選びました。これらのツボは、患者さんの症状の段階や個人差に応じて、その効果の大きさが異なることをあらかじめお伝えしておきます。
足の内側、親指の付け根の少し下にあるツボが太白です。このツボは脾経という経絡に属しており、消化機能の改善と同時に、下肢の循環を促進する作用があります。脊柱管狭窄症で足がしびれている患者さんの多くは、足全体の血行が低下しているのです。
押し方のコツは、親指の側面を使い、ゆっくりと3秒から5秒程度じわじわと圧をかけることです。強く押さえつけるのではなく、温かく包み込むような感覚で押すのがポイントとなります。毎日片足につき10回程度を目安に実施してみてください。
膝の裏側、膝を曲げた時に弧を描く部分の中央にあるツボが委中です。このツボは腰痛や下肢のしびれに対して非常に有効とされており、医学的にも足の坐骨神経周辺への刺激となります。脊柱管狭窄症では足全体の神経が圧迫されているため、このツボへのアプローチが全体的な緩和につながるのです。
委中を押す時は、両手の親指を重ねて、ゆっくり5秒から10秒の間、心地よい強さで圧をかけます。リラックスした状態で、息を吐きながら押すのが効果的です。朝と就寝前の1日2回、片足10回を目安に行うと良いでしょう。
ふくらはぎの中央、筋肉が盛り上がっている部分にあるツボが承山です。このツボは下肢全体の筋力強化と血行改善に効果的で、脊柱管狭窄症で足が重だるい患者さんが特に効果を感じるツボとなります。
ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれており、ここの筋肉が収縮することで下肢全体の血液を上方に押し上げる役割を果たします。承山を刺激することで、この大切な機能がより活性化されるわけです。
承山を押す際は、座った姿勢で両手の親指を重ねて、やや強めに3秒から5秒かけて圧をかけます。ただし痛みを感じる場合は、もう少し弱い力に調整してください。毎日両足で20回程度が目安になります。
内くるぶしから指4本分上の、骨と筋肉の境目にあるツボが三陰交です。このツボは婦人科系の症状で知られていますが、実は全身の水分代謝と下肢の冷えに対して大変有効なツボなのです。脊柱管狭窄症で冷感を感じる患者さんが多いのは、この部分の機能低下が関連しているのかもしれません。
三陰交は少し圧痛が出やすいツボなので、最初は弱めの力から始めてください。親指で3秒から5秒、心地よい範囲の圧をかけます。朝夕の1日2回、各10回を目安に実施することをお勧めします。
膝の下、向こう脛にあるツボが足三里です。このツボは古来より健康維持の最高のツボとされており、下肢全体の筋力強化と免疫機能の向上に効果的です。脊柱管狭窄症で歩く距離が短くなってしまう患者さんは、このツボを定期的に刺激することで、歩行能力の維持と改善が期待できるのです。
足三里は他のツボに比べてやや強めの刺激に耐えられるツボとなります。親指または指の関節を使って、3秒から5秒かけてゆっくり圧をかけてください。毎日両足で20回から30回程度を実施すると、より効果的です。
ツボを押すだけで全てが改善するわけではありません。30年の臨床経験から言えるのは、効果を高めるためにはいくつかの重要な条件があるということです。同じツボを同じ力で押しても、その時々の身体の状態や環境によって、効果が大きく異なることを多くの患者さんが経験されています。
身体が緊張していると、どれほど正確なツボを押しても効果が限定的になります。就寝前やお風呂から上がった時など、副交感神経が優位になっている時間帯に行うことをお勧めします。深い呼吸を意識しながら、ゆっくりとツボを押すことが大切なのです。
ツボへのアプローチは、1回で全てが改善するような即効性はありません。毎日少しずつ、身体のバランスを整えていくプロセスが重要です。特に脊柱管狭窄症のように複数の要因が重なっている症状では、最低でも2週間から3週間の継続が必要になることが多いのです。
身体が冷えた状態では、血行が悪く、ツボへのアプローチの効果が十分に発揮されません。可能な限り暖かい環境で、場合によってはツボを押す前に温めるなどの工夫が有効です。冬場であれば、先に入浴するなどして身体全体を温めてからツボを押すことをお勧めします。
ツボを押すのは自宅でできる良い対策ですが、脊柱管狭窄症を根本的に改善するためには、それだけでは不十分です。複数の要因が重なっているこの症状には、より総合的なアプローチが必要なのです。
脊柱管狭窄症の患者さんの多くに共通しているのが、反り腰や猫背などの姿勢の悪さです。毎日の姿勢が改善されなければ、どれほどツボを押しても、一時的な緩和に終わってしまいます。正しい姿勢を意識し、日中もそれを維持することが大切です。
脊柱管狭窄症と股関節の柔軟性は密接に関連しています。股関節が正しく機能していないと、代償作用として腰椎に過度な負担がかかり、狭窄がより進行してしまうのです。簡単なストレッチなどを通じて、股関節の可動域を維持・改善することが重要となります。
腰痛に対するアプローチでは、腰の周辺だけを考えるのではなく、全身の筋肉バランスの調整が必須です。特に腹筋と背筋のバランス、下肢の外側と内側の筋力バランスが重要になります。これらは専門家の指導を受けることで、より効果的に改善することができるのです。
ツボ押しを含めたセルフケアは、症状の一時的な緩和や予防には有効です。しかし、根本原因を特定し、それに対して的確なアプローチを行うには、やはり専門家による検査と施術が必要になるのです。
患者さんの中には「ツボ押しで一時的には楽になるけれど、根本的には改善しない」というお悩みを抱えた方も少なくありません。これは決して珍しくなく、むしろ多くの脊柱管狭窄症患者さんが同じ経験をされています。
ツボ押しを2週間から3週間続けても改善しない、むしろ症状が悪化する傾向がある、そのような場合には専門家への相談をお勧めします。また、症状が強い場合や日常生活に支障が出ている場合は、さらに早めの相談が必要です。
当院では、30年の臨床経験に基づいて、単なるツボ押しの指導だけではなく、検査から施術まで一貫して対応しています。最新の身体理論をベースとした独自の検査で症状の原因を特定し、その原因に対して運動学的アプローチを含めた施術を行うのです。
もしツボ押しを試してみても改善しない、あるいは少し改善したけれども根本的な解決には至っていないと感じられるのであれば、ぜひ一度ご相談ください。あなたの脊柱管狭窄症の原因がどこにあるのかを丁寧に検査し、根本改善に向けたサポートをさせていただきます。一人で悩まずに、いつでもお気軽にご連絡ください。

