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こんにちは、整体院シェルパの吉原です。最近、当院に来られる患者さんから「母が脊柱管狭窄症で手術をしたんですが、私も将来同じようになるんでしょうか」という相談を受けることが増えています。ご家族が辛い思いをされている姿を見ると、自分も同じ道をたどるのではないかと不安になりますよね。
実は、脊柱管狭窄症と遺伝の関係について正しく理解することで、今からできる予防策が見えてくるんです。30年の臨床経験から、私がこれまで多くの患者さんを診てきた中で分かったことをお伝えしていきますね。


家族歴があるからといって諦める必要はありません
結論から申し上げますと、脊柱管狭窄症そのものが直接遺伝するわけではありません。ただし、発症しやすい体質や骨格の特徴は親から子へと受け継がれる可能性があります。医学的な研究では、脊柱管狭窄症になりやすい体質の遺伝確率は約50%程度という報告もあります。
では、何が受け継がれるのでしょうか。それは骨格の形状や靭帯の柔軟性、筋肉のつき方といった身体的特徴です。例えば、生まれつき脊柱管が狭めの方もいらっしゃいますし、背骨のカーブの形状が親子で似ている場合もあります。
しかし、ここで大切なのは、体質が似ているからといって必ず発症するわけではないということです。むしろ、生活習慣や姿勢、体の使い方といった後天的な要因のほうが発症に大きく関わっているんですね。
当院に来られる患者さんを診ていて感じるのは、家族で同じような姿勢や動作のクセを持っていることが非常に多いということです。これは遺伝ではなく、生活環境の影響なんです。
例えば、同じ家で育つと座り方や立ち方、歩き方まで似てきます。デスクワークが多い家庭なら家族全員が前かがみの姿勢になりがちですし、農作業をされているご家庭なら腰に負担のかかる動作を繰り返すことになります。
また、食事の傾向も家族で共通しています。肥満傾向にある方は腰椎への負担が増えますし、栄養バランスが偏ると骨や筋肉の健康維持が難しくなります。つまり、遺伝的な体質よりも、共通の生活習慣が発症リスクを高めているケースが圧倒的に多いのです。
ご両親やご兄弟に脊柱管狭窄症の方がいらっしゃる場合、確かに発症リスクは一般の方よりも高くなる傾向があります。しかし、それは決して避けられない運命ではありません。
まず大切なのは、ご自身の骨格の特徴を知ることです。当院では初回の検査で、足底重心測定器を使って体のバランスを詳しく調べています。反り腰になりやすい方、股関節の可動域が狭い方など、それぞれに特徴があるんですね。
反り腰は脊柱管狭窄症の大きな原因のひとつです。腰を反らすことで脊柱管がさらに狭くなり、神経を圧迫しやすくなります。ご家族が反り腰の傾向があるなら、ご自身も同じ傾向があるかもしれません。
家族歴がある方は、定期的に体の状態をチェックすることをおすすめします。以下のような症状があれば、早めにご相談ください。
これらの症状は脊柱管狭窄症の初期段階で現れることが多いサインです。この段階で適切な対処をすれば、進行を防ぐことができます。
家族に脊柱管狭窄症の方がいても、適切な予防を行えば発症リスクを大幅に下げることができます。30年の臨床経験から、特に効果的だと感じている予防法をご紹介しますね。
日常生活での姿勢が何よりも重要です。デスクワークをされている方は、椅子の高さや画面の位置を調整して、背筋を伸ばした状態で作業できる環境を整えましょう。猫背や前かがみの姿勢を長時間続けると、背骨全体のバランスが崩れてしまいます。
また、反り腰にも注意が必要です。立っているときに骨盤が前に傾きすぎていないか、鏡でチェックしてみてください。反り腰を改善するには、腹筋を適度に使う意識が大切になります。
脊柱管狭窄症の予防には、腹筋と背筋のバランスが重要です。ただし、激しい筋トレは逆効果になることもあります。当院では、それぞれの方の体の状態に合わせた、負担の少ない運動をお伝えしています。
特に大切なのは、インナーマッスルと呼ばれる深層の筋肉です。これらの筋肉が弱ると、背骨を支える力が低下して、脊柱管への負担が増えてしまいます。
意外に思われるかもしれませんが、股関節や足首の硬さも脊柱管狭窄症の原因になることがあります。下半身の関節が硬くなると、その分を腰で補おうとして負担が集中するからです。
毎日のストレッチで股関節と足首の柔軟性を維持することは、腰への負担を減らすことにつながります。ただし、無理なストレッチは逆効果ですので、痛みを感じない範囲で行うことが大切です。
歩行時に足指がきちんと使えていない方が増えています。足指で地面を蹴る動作ができないと、体重が正しく分散されず、腰に余計な負担がかかります。
歩くときは、かかとから着地して、足の裏全体で体重を受け止め、最後に足指でしっかり地面を蹴ることを意識してみてください。この歩き方ができるようになると、腰への負担が驚くほど軽減されます。
もしすでに症状が出始めている場合でも、早期に適切な治療を受けることで改善できる可能性は十分にあります。当院では、家族歴のある方に対しても、丁寧な検査から始めています。
脊柱管狭窄症の原因は一人ひとり異なります。反り腰が原因の方もいれば、股関節の硬さが主な原因の方もいます。また、複数の要因が絡み合っているケースも少なくありません。
当院では、姿勢分析、歩行分析、筋力検査、柔軟性検査など、多角的な検査を行って原因を特定します。原因がわかれば、改善への道筋が見えてきます。
検査で原因を特定したら、その方の体質や生活環境に合わせた施術計画を立てます。骨格の調整、筋肉のバランス修正、運動療法の指導など、必要なアプローチを組み合わせて根本改善を目指します。
ご家族と同じ体質傾向があっても、生活環境や年齢、現在の体の状態は異なります。だからこそ、画一的な治療ではなく、お一人おひとりに合わせた計画が必要なんです。
「母が手術をしたから自分も同じになる」と思い込んで、諦めてしまう方がいらっしゃいます。でも、それは本当にもったいないことです。遺伝的な要因は確かにありますが、それ以上に生活習慣や体の使い方が影響しています。
むしろ、家族歴があることを早めに知っていることは大きなアドバンテージです。予防を意識して生活できますし、初期症状の段階で適切な対処ができるからです。実際に、当院に来られる患者さんの中にも、ご家族の経験を活かして早めに対策をとり、発症を防いでいる方がたくさんいらっしゃいます。
私自身、16歳のときに股関節の痛みで大好きだった陸上を諦めた経験があります。原因がわからないまま、その場しのぎの治療を続けるしかなかった辛さを知っているからこそ、皆さんには同じ思いをしてほしくないんです。原因がわかれば、必ず改善への道は開けます。
ご家族に脊柱管狭窄症の方がいて不安を感じている方、すでに初期症状が出始めている方、どんなことでも構いません。一人で悩まずに、ぜひ一度ご相談ください。あなたの体の特徴を詳しく検査して、最適な予防法や改善策をご提案させていただきます。

