脊柱管狭窄症にマッサージは効く？知っておくべき3つのポイント

こんにちは。整体院シェルパ・広島院の吉原です。足や腰のしびれ、歩くとつらい痛みに悩まされていませんか。脊柱管狭窄症と診断された方や、その疑いがある方から「マッサージを受けても大丈夫ですか」という質問をよくいただきます。実は、マッサージの方法によっては症状を悪化させてしまうこともあるのです。

病院でもらった薬や湿布ではなかなか改善せず、自分でなんとかしたいとお考えの方も多いでしょう。だからこそ、正しい知識を持つことが大切なのです。今回は30年以上の臨床経験をもとに、脊柱管狭窄症にマッサージをしてもよいのか、どんな方法が効果的で、どんなマッサージが危険なのかを詳しくお伝えします。

脊柱管狭窄症にマッサージをしてもいいのか

結論から申し上げると、脊柱管狭窄症の方がマッサージを受けること自体は問題ありません。ただし、やり方次第で良くも悪くもなるというのが正直なところです。当院に来院される患者さんの中にも、マッサージで一時的に楽になったという方もいれば、逆に痛みが増したという方もいらっしゃいます。

脊柱管狭窄症は背骨の中を通る神経の通り道が狭くなり、神経を圧迫することで起こる症状です。圧迫された神経に直接刺激を加えるような強いマッサージは、炎症を悪化させる可能性があります。一方で、症状を引き起こしている周辺の筋肉の緊張をほぐすことは、痛みの軽減につながることもあるのです。

マッサージで改善が期待できる理由

脊柱管狭窄症の症状には、神経圧迫による直接的な痛みだけでなく、周辺の筋肉が過度に緊張することで引き起こされる痛みも含まれています。特にお尻の筋肉や太ももの裏側、ふくらはぎなどは常に緊張した状態になりやすく、これが血流を悪化させて痛みやしびれを増幅させるのです。

適切な部位への優しいマッサージは、筋肉の緊張をほぐして血流を改善し、痛みの軽減につながります。また、筋肉がリラックスすることで腰への負担も軽くなり、神経への圧迫も間接的に和らぐことがあるのです。

脊柱管狭窄症で避けるべきマッサージとは

どんなに良い方法でも、やり方を間違えると逆効果になります。特に脊柱管狭窄症の場合は注意が必要です。

まず避けていただきたいのは、腰を強く押したり、腰を反らせるような施術です。脊柱管狭窄症は腰を反らす動作で症状が悪化する特徴があります。仰向けで腰を押されたり、腰を後ろに反らせながらマッサージを受けると、神経への圧迫が強まり、痛みやしびれが増してしまうのです。

また、患部に直接強い刺激を与える施術も避けるべきです。グイグイと強く押されると一時的にスッキリした感じがするかもしれませんが、炎症を起こしている神経周辺を刺激すると、かえって症状が悪化することがあります。力任せのマッサージは筋肉を傷つけ、回復を遅らせる原因にもなるのです。

こんなマッサージには要注意

体重をかけて強く押すマッサージや、激しく揉みほぐす施術は脊柱管狭窄症には適していません。施術中に痛みを感じるほどの強さは明らかにやりすぎです。マッサージを受けた後に痛みが増したり、翌日に強いだるさや痛みが残る場合は、その施術が体に合っていない証拠といえます。

無資格の施術者による施術にも注意が必要です。脊柱管狭窄症は医学的な知識がなければ適切な対応ができません。解剖学や運動学の知識を持たない施術者が、症状を理解せずにマッサージを行うことは大変危険なのです。

効果的なマッサージの部位と方法

では、どのようなマッサージなら安全で効果的なのでしょうか。大切なのは、患部を直接刺激するのではなく、症状を引き起こしている周辺の筋肉にアプローチすることです。

お尻の筋肉、特に中殿筋や梨状筋といった深い部分の筋肉は、脊柱管狭窄症の方の多くが硬くなっています。これらの筋肉を優しくほぐすことで、骨盤の安定性が高まり、腰への負担が軽減されます。また、太ももの裏側にあるハムストリングスという筋肉も緊張しやすく、ここをゆっくりとマッサージすることで下肢の血流が改善します。

ふくらはぎのマッサージも効果的です。脊柱管狭窄症の方は足のしびれや重だるさを感じることが多いのですが、ふくらはぎの血流を促進することで、これらの症状が和らぐことがあります。ただし、どの部位も強く押すのではなく、優しくさするように、あるいは軽く揉むように行うことが重要です。

自宅でできるセルフマッサージ

専門家に任せるのが一番ですが、自宅でできる簡単なセルフケアもあります。お尻の筋肉は、テニスボールやマッサージボールを使って優しく刺激することができます。床やベッドの上にボールを置き、その上にお尻を乗せてゆっくりと体重をかけていきます。痛気持ちいいと感じる程度の強さで、決して強く押し付けないようにしてください。

太ももの裏側は、座った状態で両手で包み込むように優しく揉んでいきます。足首からひざに向かって、血液を押し上げるようなイメージで行うと効果的です。ふくらはぎも同様に、下から上へと優しくさすり上げるようにマッサージします。一回の時間は各部位3分から5分程度で十分です。

マッサージだけでは根本改善にならない理由

ここまでマッサージについてお伝えしてきましたが、正直に申し上げると、マッサージだけでは脊柱管狭窄症の根本改善にはなりません。なぜなら、脊柱管狭窄症の原因は筋肉の緊張だけではないからです。

30年以上の臨床経験から言えるのは、脊柱管狭窄症の原因はひとつではなく、複数の要因が複雑に絡み合っているということです。反り腰、股関節の使い方の問題、筋力バランスの崩れ、歩き方の悪さ、足指や足首の機能低下など、人によって原因は異なります。

だからこそ当院では、何よりも検査を重要視しています。患者さんそれぞれの置かれた環境や既往歴などを丁寧にお聞きして、当院独自の客観的検査や整形外科検査などを行い、脊柱管狭窄症の原因を見つけ出すのです。原因がわかるから改善する道が見えてきます。

整体とマッサージの違い

マッサージは筋肉の緊張を和らげることが主な目的ですが、整体は骨格のバランスを整え、体全体の機能を改善することを目指します。当院で行っているシェルパ式整体は、単に症状を緩和するだけでなく、姿勢や歩行の改善、筋力バランスの修正まで行います。

検査によって特定された原因に対して、骨格調整、筋力強化、動作改善を組み合わせた総合的なアプローチを行うのです。これによって、その場しのぎではない根本的な改善が可能になります。実際に当院の整体施術と脊柱管狭窄症は非常に相性がよく、劇的に改善するケースも多く見られます。

病院の治療との組み合わせ方

脊柱管狭窄症で病院に通っている方は、医師の指示に従うことが大前提です。痛み止めの薬や注射を処方されている場合は、それを継続しながら整体やマッサージを併用することも可能です。

病院では主に薬物療法や物理療法が中心となりますが、これらは対症療法であり根本的な改善にはなりません。一方で整体は原因に働きかけるため、両方を組み合わせることで相乗効果が期待できるのです。ただし、病院で運動療法を受けている場合や、特定の治療を受けている場合は、事前に整体師に伝えることが大切です。

手術を勧められたけれど迷っている方もいらっしゃるでしょう。手術は最終手段であり、多くの場合は保存的治療で改善が期待できます。当院にも手術を避けたいと来院される方が多くいらっしゃいますが、適切な施術によって日常生活に支障がない状態まで回復された方は少なくありません。

日常生活で気をつけるべきこと

マッサージや整体と並行して、日常生活の中でも気をつけていただきたいことがあります。まず、腰を反らす動作はできるだけ避けてください。洗濯物を干すときや高いところのものを取るときなど、無意識に腰を反らしてしまう動作は症状を悪化させます。

長時間同じ姿勢を続けることも良くありません。デスクワークや長距離の運転などでは、1時間に一度は立ち上がって軽く体を動かすようにしましょう。また、重いものを持ち上げるときは、腰だけでなく膝を曲げて足の力を使うことが大切です。

自宅でできる簡単なストレッチ

痛みがない範囲で、日々のストレッチも取り入れていただきたいです。仰向けに寝て両膝を抱えるようにして背中を丸める運動は、腰の緊張を和らげます。また、椅子に座った状態で前屈みになる動作も、脊柱管を広げる効果があります。

ただし、痛みを感じるほど無理に行う必要はありません。気持ちよく感じる範囲で、ゆっくりと呼吸をしながら行ってください。ストレッチは毎日少しずつ続けることが大切で、一度に長時間行うよりも、短時間でも毎日継続する方が効果的なのです。

まとめ

脊柱管狭窄症に対するマッサージは、正しい方法で行えば症状の緩和に役立ちます。しかし、強い刺激や腰を反らせるような施術は避けなければなりません。お尻や太もも、ふくらはぎなどの周辺筋肉を優しくほぐすことで、痛みやしびれが和らぐことがあります。

ただし、マッサージだけでは根本的な改善にはなりません。脊柱管狭窄症は複数の原因が絡み合って起こるため、徹底した検査によって原因を特定し、骨格や筋力のバランスを整える総合的なアプローチが必要なのです。

脊柱管狭窄症は早めに対処すればするほど、改善までの期間も短くなります。一人で悩んで間違った対処法を続けるよりも、信頼できる専門家に相談することをお勧めします。当院では国家資格を持つ院長が、検査から施術まで一貫して担当しますので、安心してお任せください。

歩くことが億劫になったり、旅行や趣味を諦めたりする前に、ぜひ一度ご相談ください。あなたの力になれるよう、全力でサポートさせていただきます。