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こんにちは。広島市で30年以上の臨床経験を積んできた整体院シェルパ・広島院の吉原和彦です。今日は、多くの患者さんから相談をいただく「脊柱管狭窄症」についてお話しします。特に、漢方の効果を期待される患者さんのお声を聞く機会が増えてきたため、重要なポイントをシェアさせていただきたいと思います。
足の痛みやしびれでお困りの方の中には、脊柱管狭窄症と診断されて、どのような治療法を選ぶべきか悩んでいる方が多くいらっしゃいます。手術を避けたいというお気持ちは十分に理解できます。しかし、ここで知っておいていただきたい事実があるのです。


多くの患者さんが見落としている視点があります。それが今回お伝えしたい最も大切なことなのです
病院でMRI検査を受けて「脊柱管狭窄症です」と診断されると、その診断結果に納得してしまう患者さんがほとんどです。確かに、医学的には正確な診断かもしれません。しかし、ここが落とし穴なのです。
実は、脊椎のレントゲンやMRI画像に写る形態的な異常と、実際に患者さんが感じている痛みやしびれの原因は、必ずしも一致しないのです。これは医学の世界でも古くから知られている事実です。同じような画像所見を持つ人でも、症状がある人とない人がいるのですから。
つまり、狭窄症という病名を付けられたことが問題ではなく、その診断の先にある「本当の原因は何か」を見つけ出すことが、改善への第一歩なのです。
30年間、多くの患者さんの身体を検査してきて感じることは、医学画像に写らない問題こそが症状の主因になっていることが非常に多いということです。
例えば、足が痛い、足がしびれるという訴えがあるとき、私たちが注目するのは脊椎の形態だけではありません。むしろ、神経が本当に圧迫されているのか、それとも神経に対する栄養血流が悪くなっているのか、あるいは神経周囲の筋膜が硬くなっているのか、このあたりを細かく検査していくのです。
この検査の過程で気付くことが多くあります。骨の狭窄よりも、実は腰周辺の筋肉や筋膜の緊張が強い、あるいは骨盤の動きが悪くなっているため、神経への負担が大きくなっているという患者さんが数多くいるのです。
症状が出ている場所だけを見ていては、本当の原因は見つかりません。なぜなら、人間の身体は全て繋がっているからです。
足がしびれるという症状一つ取っても、その原因は腰だけにあるとは限りません。骨盤の傾き、脊椎全体のカーブ、さらには首の位置、肩の高さなど、全身の構造的なアンバランスが、結果として脚の神経に負担をかけることになるのです。これが、多くの患者さんが他の治療を受けても改善しない理由の一つです。局所的な治療だけでは、全体的な問題を解決できないのです。
ここからが、今回の記事で最もお伝えしたいポイントです。
漢方薬には、確かに身体を温めたり、血流を改善したり、痛みを緩和したりするという効果があります。そのこと自体を否定するものではありません。ただし、漢方薬が、骨の狭窄による神経圧迫を根本的に解決できるかというと、答えはノーです。
さらに大切なのは、漢方薬を選ぶ前に、その痛みやしびれが本当に脊柱管狭窄症由来のものなのか、それとも他の要因が主なのかを、正確に見分けることが必要だということです。
正確な原因がわからないまま、漢方薬を飲み続けることは、いわば「薬が効くのを待つ」という受け身の対応です。これでは、貴重な改善のチャンスを逃してしまう可能性があります。
私の治療院では、患者さんが来院されたら、まずは丁寧に検査をさせていただきます。その中で、患者さん自身が気付いていなかった身体の問題が、ほぼ毎回見つかります。
例えば、「脚がしびれる」と訴えていた患者さんが、実は股関節の動きが極めて制限されていた、あるいは腹部の筋肉が全く機能していなかったというケースがあります。こういった隠れた問題こそが、脚の症状の根本原因になっていることが多いのです。
こういった問題が明らかになれば、その後の対策は明確になります。漢方薬かもしれませんし、運動療法かもしれませんし、または食生活の改善かもしれません。しかし、共通して言えることは、原因が正確にわかっているからこそ、効果的な改善策を選択できるということです。
脚のしびれや痛みを改善させるために、順序立てた対策が必要です。
これは、MRI検査の画像診断だけでは不十分です。実際に患者さんの身体を触診し、各関節の動きを検査し、神経学的な検査を行って、初めて見えてくるものがあります。例えば、椎間板の位置、脊椎の可動性、筋肉の強さ、反射の有無など、複合的な情報を集約することで、本当の原因が浮かび上がるのです。
原因が特定できたら、その問題に対して直接アプローチをしていきます。骨盤が傾いているなら骨盤を整える、腰周辺の筋肉が硬いなら柔軟性を取り戻す、神経周囲の血流が悪いなら血液循環を改善するといった、目的を持った施術を行うのです。
施術だけでは不十分です。患者さん自身が、日常生活の中で身体の状態を保つための運動や生活習慣の工夫が必要です。そこで、運動療法の指導が重要な役割を果たします。
多くの患者さんは、「運動すると症状が悪化するのではないか」という不安をお持ちです。その気持ちはよく理解できます。しかし、適切に設計された運動療法は、薬以上の効果をもたらすことがあります。
例えば、コアの筋肉(腹部や腰周辺の深層筋)を強化することで、脊椎の安定性が劇的に改善することがあります。その結果、神経にかかる負担が軽減され、症状が改善していくのです。
これは決して難しいトレーニングではありません。むしろ、自分の身体の弱点を理解した上で、それに対応した運動を日々続けることが大切なのです。
私のクリニックに来られた患者さんの中に、63歳の男性がいました。彼は、脚の痛みとしびれで歩ける距離が500メートルに制限されていました。医師からは手術の可能性を示唆されていたのです。
彼が最初に受けた検査で明らかになったのは、骨盤の後傾、腹部筋肉の機能低下、そして脊椎全体の過度な前弯でした。これらの問題に対して、骨盤を整える施術と、コア安定性を高める運動療法を並行して行いました。
3ヶ月後、彼は2キロメートル以上歩けるようになりました。半年後には、ほぼ症状が消失し、趣味のゴルフを再開できるようになったのです。MRI画像の狭窄は依然として存在しています。しかし、彼の脚の症状は改善されました。
この事例が示しているのは、狭窄という構造的な異常が完全に解決されなくても、その異常によるストレスを軽減する方法が存在するということです。
この質問をいただくことがあります。答えは「どちらか一方ではなく、統合的にアプローチする」ということです。
漢方薬が身体の内側から改善を促し、整体が身体の構造と機能を直接改善する、これら両者は補完関係にあるのです。ただし、最初に必要なのは、正確な原因の特定と、それに基づいた戦略的な対策なのです。
その過程で、漢方が有効と判断されれば、漢方薬局の専門家の指導を受けるべきです。一方、身体構造の改善が重要なら、整体や運動療法に重点を置くべきなのです。
脚の痛みやしびれで苦しんでいるにもかかわらず、改善を実感できない患者さんが多くいます。その理由は何でしょうか。
一つは、症状の原因が正確にわかっていないまま、対症療法を繰り返しているからです。痛み止めの薬、注射、冷却療法など、その時々の症状を和らげることには成功しています。しかし、根本的な原因は放置されたままなのです。
二つ目は、改善のための行動を起こしていないからです。医師から「様子を見ましょう」と言われたり、薬を処方されたりすると、それで十分だと思い込んでしまう患者さんが多くいます。しかし、主体的に身体を改善するための行動を起こさないかぎり、状況は変わらないのです。
「もう年だから」「症状が長く続いているから」という理由で、改善をあきらめている患者さんがいらっしゃいます。しかし、これは誤りです。
人間の身体は、年齢に関わらず改善する能力を持っています。その証拠に、私のクリニックに来られる患者さんの中で、最高齢の方は80歳代です。彼らの多くが、症状の改善を実感されています。
大切なのは、正確な原因の把握と、それに基づいた適切な対策なのです。これらが揃えば、年齢や症状の経過期間に関わらず、改善の可能性は十分に存在するのです。
脚のしびれや痛みでお困りでしたら、まずは正確な診断と検査を受けることをお勧めします。その際に大切なのは、医学画像所見だけでなく、実際の身体機能や構造的なアンバランスを見つけ出してくれる専門家に相談することです。
漢方薬を試す前に、その痛みやしびれが本当に脊柱管狭窄症由来のものなのか、それとも身体のアンバランスが主原因なのか、正確に見分けることが重要です。この見極めができれば、後の対策は自動的に明確になります。
多くの患者さんが、一人で悩みながら症状と付き合っているのが現実です。しかし、正確な原因がわかり、適切な対策を始めれば、人生が大きく変わる可能性があるのです。私の30年の経験から、これは確かなことです。
お一人で悩まず、いつでもお気軽にご相談ください。あなたの脚の症状を改善させるために、私たちはここにいます。

